カップ&ボール再考 3 おまけ

ヴァーノンの手順をベースにした解説ビデオとして、アイビデオより、ジョニー黒沼氏の 「カップス&ボールズ」 が販売されています。

単なる手順の説明だけではなく、実際に演技をするときの大切な点にいたるまで、驚くほど詳細に解説されており、本当にこのトリックを研究してみたい方にとっては、必見といってよいでしょう。 演技、そして特に解説が 「すごくすばらしい」 です。

ただし、タイトルに 「エキスパートのための」 とあり、実際プロでないと本当には理解できないような部分 (もちろんどなたが見ても理屈は分かりますが) が、それはもう「てんこ盛り」(テンコー森ではない…… 森がマニアでないとわかりにくいか?) なため、購入者の方にかなりのモチベーションがないと、うまく活用できないかもしれません。

また、黒沼氏のタッチや手順を、すべてそのまま使ってしまうと、かなり長い手順にならざるを得ません。 基本的には、そのハンドリングにおける、細かい理論の部分を学んでもらえれば、充分なのではないかと思います。

そして、実はこのビデオの中で氏は、「タネあかし」の代用として、 「観客のなかには、もしかするとこのように(といいつつ、嘘の動作をする)しているのだろう…… そうおっしゃる方もおられますが、違うんです」 といったように、 「マジシャンのタネあかし」 を、 「観客の推理」 へとシフトさせるという手法を取り入れており、これはなかなか良い策略だと思いました。

ただ、それまでは驚くほど緻密で、しかも論理的な説明をしていたのに、この部分だけは、 「私はタネあかしがキライなんです!」 それだけで変更理由の説明が終わっていたことは残念でした。

さて、それではいよいよ、その部分についての具体的な考察をしてまいりたいと思います。

つづく

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