長らくお待たせしておりましたが、昨晩 「mML」 のサイトが無事にリニューアルしたようです。 スタッフのみなさん、本当にお疲れ様でした!
本日は、「mML一周年記念号」 収録日ですので、撮影の方よろしくお願いします。
カップ&ボールは、本日カズ氏との収録を終えたあとで、(いずれ)また続きを書こうかと思います。
ところで前回の 「忘れる話」と「分からない話」 ですが、冒頭のエピソードは、単なる取っ掛かりに過ぎません。
結局私がなにを主張したいのかというと、適切な方法で 「マジック」 を演じることができれば、それが一見よく知られているように思えるものでも、また、強烈なクライマックスを持たないものであっても、充分に(普通の)観客には通じるはずであるということです。
オチやクライマックスがないと、マジックを終わりにくいというのは、これまた充分に理解できるのですが、ショーで演じるときでもない限り、普段クロースアップをカジュアルに演じるさいは、けして豪華なエンディングなど必要ないでしょう。
例えば、本当にスマートなマジックを、さらりと演じたいのだとしましょう。
五百円玉で簡単な飛行現象を行った後、マギー信司さんばりに 「でっかく」 しちゃったらどうでしょう? 適切に演じれば、もちろん相手は驚くことでしょう。
あなたのコンセプトが、とにかく相手をビックリさせたいだけならば、無論問題はないのですが、少なくとも 「スマートに」 という最初の趣旨にはそぐわないことになります。
ヴィジュアル的におもしろいのは確かなのですが、おそらく99パーセントの観客は、本当に五百円が大きくなったとは思わないでしょうから、結局その大きなコインは、あなたが最初から用意していたものであり、演じる機会を虎視眈々とねらっていたということを、演者自らが暴露していることになります。
勘違いしないでほしいのは、自身が常にサービス精神満点であり、周りからもそのように見られたいとか、要は、本来の趣旨がそのようなものである場合は、まったく問題ありません。 (最もその分、常に観客側の要求に答えられる力が必要ですが)
今までのカップ&ボールの考察とも重なってくるのですが、オチやクライマックスに頼りすぎるあまり、結局、基本的な力が身につかないという傾向があるのは、紛れもない事実であると思います。
あるブログを読んでいたところ、mMLの初期に解説している 「10カウント」 に関して、 「講習用の手順なので、(さらに)なにか付け加えないともの足りない」 といったことが書かれていましたが、このような 「思い込み」 を、一度考え直してみることで、あなたの演者としてのランクも、一段ステップアップできるのではないかと思います。
一応言っておきますと、あの「10カウント」の流れは、講習のためだけのものではけしてなく、普段何気なく、さらりとマジックを演じるための、「最高の脚本」 の一つであり、あれだけで充分な効果を得ることのできる 「すばらしいトリック」 です!
少なくとも、私自身がそのようなシチュエーションで演じる際は、あれ以上のオチはありませんし、また、今までも充分な反応を得ることができました。
いずれにしても、観客側からそれ以上のことを求められない限り、演者側の都合で一方的にオチやクライマックスを押し付けることだけは、なるべく避けたほうが懸命であると言えるでしょう。
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