一昨日銀座小劇場で開催された 『ボナぺティライブ3』 ですが、満員御礼にて無事終えることができました。
お越しいただいたみなさま、そして関係者のみなさん、ありがとうございました。
ああいった小劇場で演じるのは久しぶりでしたが、一般のお客様が結構多く、会場の雰囲気もなかなかよろしくて、本当に楽しめました。
私の最後のネタは、前日に急遽差し替えたものだったので少し心配だったのですが、反応はまあまあだったのではないでしょうか?(^_^;)
※10年ほど前 (箱根のゲストにガイ・ホリングワース氏が来たとき) に予言トリックとして構成してみたものを、エニカード・エニナンバー風に仕立ててみました。
来年以降もぜひ続けていってほしいライブです。
ボナさんよろしくお願いします。m(__)m
さて、先日つい佐藤さんの本についてふれてしまいましたので、ついでにというか、念のために書いておきます。
すでに購読予定であった方は問題ありませんが、もし私のブログを読まれて、ゆうきがそこまで褒めるのであれば買ってみようかと思われた方はご注意を。
この本は東京堂出版の 『カードマジック事典』 程度の知識と、ごく普通の日本語能力があれば読むことは可能ですが、ある程度理解するためには、より深いカードマジックに対する造詣 (時間と頭脳を十分に使った実践経験を含みます) を必要とします。
私は推薦コメントにおいて、≪“適切な環境での熟成期間”が加わることで、自然と醸し出される“魔術的雰囲気”≫ といった表現を使いました。
この本で素晴らしいのは、一つのアイデアがマジックへと昇華されていくまでの過程が、驚くほど詳細に記録されていることであり、その部分の書き方に関して、見事なまでに過不足のないところです。
一つ一つの作品の完成度もすばらしいのですが、私にはこの本自体が優れた作品に感じられました。
これはやりたくてもなかなかできることではありません。
さて、マジックがひとつの表現手段である以上、そこにはあらゆる要素が必要とされます。表情、セリフ、動作、間、それらがほんの少し違うだけで、その効果は驚くほど変化してしまいます。
無論、これは佐藤さんの作品に関することだけではなく、本来はすべてのマジックに必要とされることなのですが…。
仮にどれほどベテランの奇術家だとしても、この本を読んで、すぐに実演できるトリックはただの一つもありません。
スライハンド的なことでいえば、それほど難易度は高くないかもしれません。
(とはいうものの、実際に佐藤さんレベルでそれらを実際にこなせる人が多くいるとは思えませんが)
しかしながら、作品のコンセプトを本当に理解するにはかなりの経験を必要とします。また、実際にうまく演じるためには、明確で簡潔な説明能力や、最小限の感情表現といった、その作品にとって適切なディレクションを自分なりに研究し、磨かなくてはならないのです。
お正月に公開できるような、手軽で強力なレパートリーを探しているという方は、購入はやめておいた方が身のためです。
本好きなコレクターの方、カードマジックを心より愛する方、佐藤総の考え方を知りたい方、本格ミステリの好きな方、そういった方々にのみ、心から推薦できる本なのです。
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