ミステリの場合

真のファンは、その作品に関する情報をなるべく見聞きしないよう努めます。

その作品の “きも” がなんであるのかは読み終えてみなければわかりませんが、著者の意図やねらいを存分に楽しむためには、それがすぐれた作品であればあるほど、余計な情報はやっかいな癌にしかならないからです。

ファンを自称する人たちは体のよいストーカーにも、まったく建設的でない身勝手な批評家にもなります。

常に一定の比率でそういった人たちは存在するのですが、ちょっとしたブームでにわか中級 (自称) ファンが増えてしまうと、当然そのような人たちの数も増えてしまいます。

そういったマイナスの情報をインプットしないようにするためには、面倒ですが結構気を使うものです。

本当はしばらくの間、書かないようにするつもりであったのですが、そういったものを目にしてしまったので、真のファンの方に向けてちょっとアドバイスを。

佐藤総さんの新作 『カードマジックデザインズ』 についてです。

宣伝に使用されている私のコメントは、一語一句、100%事実です。

本当に幸せな気持ちになりました。 (^^♪

ただし本に映像をつけることの問題点は多々あり、このプロジェクトのお話を伺ったときには少し危惧したのですが、今回の作品集の質を考えると、それは正解であったと思います。

あくまでも真のファンや、真の研究家にとってということではありますが…

えー、長くなりそうなのでこの問題に関する一般的な考察は…はしょります。

結論ですが、本の内容は映像を見るまで絶対に読まないでください!

内容はもちろんですが、松田道弘氏によるまえがきもです。

松田さんの書き方があまりにも思わせぶりなので、つい気になってそこだけ見てしまったという人がいたようですが… 

まあ (^_^;) そういう困った方はさておき。

正直、氏の文章を読んでしまうだけで、ちょっとした問題が起きてしまいます。

事実私には起きてしまいました。

ぜひ一度 “まっさらな状態で” 一度だけ映像を楽しんだあと、佐藤さんのまえがき 『趣味の興奮に向けて』 を読み、もう一度映像を一度だけ確認し、そのあとで松田さんの序文、もう一度佐藤さんのまえがきをじっくりと読み、本文に進んでください。

泡坂妻夫さんの 『亜愛一郎』 シリーズや、まるでよくできた 『刑事コロンボ』 のノベライズ版を読んでいるかのような、最高のカタルシスが味わえます。

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