40、61、141、146、152、155、173、177

幻冬舎が新書をスタートさせたらしい。いくつか私好みのタイトルがあったのだが、ある事情で香山リカの 『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』 を読んだ。

慎重すぎるほど慎重な言い回しをしているため、読者 (多分多くの) にとっては、 「結局なにがいいたいんだ!」 とか、 「だからお前はどっちなんだ!」 なんていわれそうな気もするのだが、個人的には理解できた……ような気がする。

少なくとも現在進行形である、オーラだの霊視だのといわれている、いわゆるスピリチュアルブームに関して、かなり平易な言葉で、冷静に “世の中そのもの” を分析している点は素晴らしいと思う。

実は読んだ人間から、最初のような感想を実際に聞いているので、そのような意見も充分に理解はできるのだが、結局これは読み手がその本に何を求めているかと密接に関係があり、読み方によっては、そのような意見を持つ読み手のことも分析している節があるので、そのような意味においては、ついニヤリとしてしまったのである。

私自身がなんとも “持って回った言い回し” で申し訳ないのだが、上記の本はともかくとして、結局どれほど言葉を紡ごうとも、前提で引っかかっていたり、取り違えていたら、もはや理解のしようはない。あたり前のことだしこのスペースでも何度となく語ってきたことだが、この再認識をこれまた際限なく繰り返していくのでありしょう。

例えば渋谷の会では、もっと基準となるバーを下げることもできるのだが、おそらく (まっとうな) マジック関係の業界で、ここまで下げている会もあるまい。

ちなみにここでは “バー” という部分に当てはまる言葉を取り違えるだけで、この会は意味をなさなくなる。

その昔、あまりにもヒドイ (間違ったルールや手法、哲学、情報等) ことを教えてくれる会に参加している人に対して、まあ最初にそういったところでマジックを刷り込まれたらたいへんだろうなあ……なんて思っていた時期もあったのだが、よほど頭が悪くない限り、いずれは自分で気がつけばやめるのであろうし、逆にそこが居心地よければ染まるだけのことで、結論からいうと、それはもはや仕方がないことだと思っている。

高校生や大学生に、鉛筆の持ち方やひらがなの書き方をゼロから教えるつもりはない。

また、裏を返せば、私自身がせいぜい中学生なのであるからして、教えられることも中学生レベルのことなのである。

昨日ある人物からレッスンを申し込まれたのだが、話を聞く限りはご本人が赤ん坊であることを自覚しているようであり、目的もはっきりしていたので、話を進めてみようかと考えている。

無論ここでもバーを下げることはないし、引っかかっていることに気がついていない方と真面目に付き合うつもりは一切ないので、参加者はそのつもりで。


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