自分の意思や考えをうまく伝えるというのは本当に難しい。
効率よく伝えるためには、生のコミュニケーションと、時間、そして適切な文章が必要なのであろうと常々感じています。
発信する側も受け取る側も。
日本人のプロフェッショナルマジシャンとして、一般人の持つポジティブなイメージを大切にしつつ、そのうえで強烈な個性を誇示し、マジックに関するあらゆる仕事… それこそクロースアップからイリュージョンまでを、一切の場所を選ばず、自身のクオリティを存分に発揮し、完璧な仕事をこなす人物をあげるとすれば、それは Dr.ZUMA ただ一人といえるでしょう。
私はたまたま縁があって、10年と少々のお付き合いでありますが、初めて氏の家に遊びに行かせてもらったときに、「こんなに大胆でおもしろく、勉強家で、しかもこれほど冷静な人がすぐ近くにいたら、たぶん入門してしまったかもしれないなあ」 と、唯一思ってしまった人物です。
そのZUMAさんがブログを書かれているという話を聞き、先ほど覗かせてもらったのですが…
(゜o゜) とか、(^_^;) とか、φ(..)メモメモ など。
独自のユーモア (氏の場合その多くは、ごく普通にブラックです) を交えながらも、おそらく世間の人が持つ芸人のブログとはかなりかけ離れた、かなり真面目な内容の文章が、(氏を知っていると、実際はかなり気を使って書かれていることがわかりますが (^_^;)) 歯に衣着せぬ、するどい論調で展開されております。
医者、そしてマジシャンのプライドの話などは、おそらく氏でなくては書くことのできない内容と考察でしょう。
また、マジックのリアリティーの話は、私自身、ここ5年くらいの間の研究テーマの一つであり、拙著でも結構触れざるをえなくなっている部分です。
※ちなみに来年1月下旬に、メディアファクトリーから対談本が刊行されるのですが、そこでもテーマの一つになっています。
昨日カードマジックの本について書いたので、文字や文章で伝えるということをあらためて考えてしまいました。
本当の意味で第一線で活躍されているといっていい、ZUMAさんのブログには、プロとして活動するさいの (パフォーマンスのことだけではありませんよ) 金言が盛りだくさんですが… くれぐれも言葉だけの受け売りにならないよう、十分に気をつけたいところです。
ご本人たち (昨日ふれた本の著者もです) も書かれているのですが、本当は 「もったいない」 秘密なのです。
老婆心ながらフォローしておきますと、秘密をあかすこと自体がもったいないのではありません。
それらを理解する頭脳を持っている人、さらには理解したいという気持ちを真摯に持っている人には、いつでも喜んで教えることでしょう。
残念なのは、その本意や、意図が理解されず、表層の部分だけが取りざたされ、ねじ曲げられ、広められ、都合よく利用されることなのです。
興味を持った方は、ぜひ心して読んでみてください。
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