…そういった機会がまれにあります。
「ああ、これはあくまでも自分がマジシャンであり、自分が皆目見当もつかない方法で完全に騙されるという稀有な経験をしたからうれしくてしょうがなくて一般観客の見方を忘れてつい過大評価しがちになるから気をつけなければ…」
そう思いつつ、
「しかしながら自分が同じような現象を起こしているときに観客が感じているであろうショックというのはおそらくこーゆーものなはず (もしくはそうあるべき) で、それを経験させてもらうことであらためてそういった大切なことを認識する貴重な機会をいただくことができて実にありがたい…」
などと考えるわけですが、そーいった細かい理屈はさておいて、
「えっ!マジですか?」
そのようにうめくことのできる瞬間を、マジックを愛する人間は、心のどこかで求めているはずです。
「やられた!」 とか 「ひっかかった!」 というレベルではなく、正に魔法を感じる瞬間を!
これまでにも何度かそういうラッキーな機会がありました。
しかし、それは100%年上のマジシャンであり、かつ、まったく自分とは違った演技スタイルを持つ、ある意味モンスターのような方々でした。
しかし、自分よりも年下であり、さらにはこれまでにそういった経験をさせてくれたモンスター達と比べて、より自分に近いスタイルを持つ人物にそういったものを見せられると、それは…
「めっちゃうれしい!」 反面 「ちょっと、いや、かなり悔しいかも」
そんな経験を生まれて初めてさせていただきました。
昨夜、池袋の個室にかなり濃いメンバーが数人集まり、Sくんのトリックを見た各々がショックを受け、Sくんはおよそ考えられる最大の賛辞を受けました。
Sくんは、ここ一年ほどマジック熱が下がりっぱなしらしいのですが、ぜひもう一度熱をとりもどし、昨夜のようなうれしい体験をさせてもらいたいものです。
本物のマジック、一体あと何回経験できるんだろう?
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