Dr.レオンの番組を見ました。(゜.゜) ……結構楽しめました。(^_^;)
マジックの内容はさておき、 「時空を捉えました!」 「コンプリート!」 こう言ったフレーズ自体には、指をパチンと鳴らす動作や、Mr.マリックの 「きてます!」 と同じように、 “一種のおまじない” としての効用を期待することができます。 (けしてあのようなフレーズを作りなさいということではありませんのでご注意を!)
無論、より魔法に近い、リアルな効果を引き出すためには、使いすぎや、心のない、いいかげんな動作、言い方であってはマズイのですが、少なくとも 「今から現象がおこりますよ」 「これでおしまいですよ」 といった、観客への注意をうながす、基本的な手法という意味合いにおいては、初心者の方や、見せることに悪い意味で “なれすぎた” 奇術家にとっては、かなり参考になるはずです。
ある時、ベテランのマジシャンから、 「おまじないなんて必要なのか?」 といった質問を受け、私にとってはその人物から “そのような疑問が” 発せられた事実に驚き、また、先輩格の方であったこともあり、(ショックでしどろもどろとなり)うまくお答えすることができませんでした。
そのときに、具体例として取り上げられたトリックは、いわゆる「ビル・チェンジ」および、舞台におけるスピーディーな「イリュージョン」全般であったのですが、その人物は、少なくとも最近のイリュージョンの演出では、「おまじない」はなくなっているし、それでいて充分に効果を上げているのでは? そういった趣旨のことを確かおっしゃっていたのだと思います。
その時点では、うまくお答えできなかったのですが、この場を借りて、あらためて説明させていただきますと、おそらくその方は、私の言う「おまじない」の意味を、 “演者がそれによって不思議現象を起こしている” そういった、狭義の意味あいで捉えていたのではないかと思います。 先にも少し触れたように、その部分も無論大切ではあるのですが、そのような演出スタイルにおいて、より重要なのは、 「今から現象がおこりますよ!」 といった合図であり、一種の間であるわけです。 マジシャンがポイントとなる部分をかっこうよく指し示したり、カバーに使う幕を振り回したりするアクションそのものが、いわば「おまじない」の役割をはたしているのだといえます。
また、マイク・コズロフスキーの「ビルチェンジ」以降、様々なバリエーションが誕生しましたが、無論このような現象においても、 “この合図” 、つまり “マジシャン自身の現象を起こそうとする意志” を観客に対して示すことは重要です。 たとえ最近のケビン・キングの手法を採用する際でも、そこをしっかりと押さえておかないと、現象が流れてしまい、せっかくの効果を半減させてしまうことになりかねません。
自分のトリックが、観客にうまく伝わっていないな? そう感じたときは、まずこの部分をチェックしてみるといいかもしれません。
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