書いといてなんですが、以前のカップ&ボールにしろ、今回のヴィジターにしろ、筆不精の自分自身の考えをまとめるために書いている部分が強いので、ほとんどの方には意味不明かと思われます。 そのうち機会があれば、ちゃんと紙媒体を使って発表したいと思いますので、かなりの知識と経験をお持ちで、ある程度私のタッチをご存知の方以外には、現時点で目を通されることをオススメはしません。
ここまでの考察は、主に私自身と (このテーマについて語る機会をくれた) 若い奇術家、そして (もう一人のきっかけをくれた) あまり若くない奇術家に向けて書かれているものです。
で、今思い出したんですが、カップ&ボールの考察って、まだ途中だったような気が……。
まあ、いずれにしても本来ならばお酒の席でぐだぐだに語ったような話でも、文章にするとこれだけのボリュームになるわけで、以前もどっかに書きましたが、ホント、だれか記録してもらえませんかねえ?
現場ではうまく伝わらなかったかもしれませんが、酔った私が語っていたのは、まあこういった内容であったわけです。直接の答えにはなっていないかもしれませんが、少なくともこの作品を見直すきっかけにはなったかと。
ここでは私自身の工夫を説明するつもりはありませんが、ここまでの私の思考過程をふまえて、映像媒体で発表されている二つの作品を見直していただくと、結構おもしろいのではないかと思います。 ちなみに現在の私の方法はほぼ二つ目の作品と同じではありますが、直接的な手法や手順とは別の部分 (主にセリフとタイミング) で、ここまでに触れた点をフォローしています。
※こういった部分は正直 “生” で (かつ一般客に向けての演技を) 見ていただかないと説明しにくいところです。 (まあ直接質問されない限り、あえて説明するつもりもないのですが) 裏を返せば、現在の映像を主体とした表面上のコピー学習では一番身につかない部分でもあります。
ところでこの話のキッカケになったといってもいい、5枚のパケットという話で思い出したのが、鬼才ポール・ハリスの作品 『グラスホッパー』 です。私はマイケル・アマーのビデオで演技をみたので、原案通りかどうかは分からないのですが、作品としては良くできていると思います。
ヴィジターと違い移動は一回なのですが、道具立ては正に5枚なので、うまく演じると非常に不思議に見えます。映像を見た当時 (10年程前) は手法が大胆すぎて (技術的にも難しく) あまり演じる気にはなれなかったのですが、今回の件で思い出したので再度チェックしてみたところ、今なら充分演じられそうなことに気がつきました。
結論からいうと、正にヴィジターの前フリとしてピッタリのトリックに思える部分があり、現在研究中です。
で、老婆心ながらというか、余計なお世話というか、ヴィジターにしろリバース・マトリックスにしろ、このタイプのトリックや、いわゆるマルチプル・エンディングのトリック群を演じる場合は、大抵の場合 “演者側” が本当のクライマックスを見せたいが為に、それまでの (本来であれば) 充分に不思議なパートを “ないがしろに演じる” 傾向が多くみられます。 これはトータルな演出次第の部分もあるのですが、例えばヴィジターに関していえば、第一段の 『セレクトカードの出現』 部分で、充分に観客の反応を得ることができなければ、それは失敗なのだというくらいの気持ちで演ずることが重要なのだと思います。 もしかすると、さらにつづく…… かも。
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