タイトルの話 その2

前回の続き

そもそも私が話題にしていた商品は30年近く前の記憶でした。

もはやどこのお店から購入したのかも覚えておりません。(^^;)

マジック愛好家のジョージさん(翻訳家)は私よりも年上ですので、てっきり私と同じ時代に購入したのかと思ってやり取りを進めていたのですけど、実際には2015年バージョンとその解説書からの話であったのです。

実際のツイッター上のやり取りに関しては、情報が前後している部分があり、お互いの勘違いもありましたので、以下ではジョージさんのツイート内容に私がある程度編集を加えています。

「マッチボックスペネトレーション」の原題のほかにもう一つの題名があるそうで、スペイン語で「Cerillas Bloque」つまり「マッチとブロック」だそうです。

2015年にシカゴのMagic Incが製造権を取得した傑作品です。

なんと140ドル。

僕はJay Marshallから継承されているMagic Incの解説書には信ぴょう性があると思います。仕掛けに関する歴史と手入れ方法も書かれていて、本当に丁寧な解説書です。モノもいいのは当然です。

説明書の前書きを信じるならば、考案者は1994年スペインのバルセロナのJose Llacer。

基本演技としてピンが刺さっている状態で始める手現象が解説されていて、さらにはBurgerの演技が紹介されていて素晴らしい。

説明書におけるEugene Burgerの方法は以下の通り。

「不可能なことを見せます」といってマッチ箱を出し、

「でも、不可能なものこそ、ときには全然に不可能に見えないことがある」と前置き。

「中に何本入っている?」などとバイプレイをしたのち、

ハットピン(帽子を髪に留める装飾的なピン)を見せ、それを箱に通し上下させる。

「これこそは不可能だ」と言う。

「でも、先ほど言ったように、時として、不可能なのに不可能に見えないものがある」

ここで観客に手を出してもらい、ハットピンを抜き、箱を逆さに開けブロックを落とす。

説明書の最後の文がBurgerらしい。

「しゃべりたい衝動を抑えろ!」(私の意訳:これ以上セリフを言うな!)

ここまでです。

いや~ ユージン・バーガーのセリフは痺れますね。

出現を示した後の注意勧告も見事!

ここで効果を台無しにする方が多いですからね。(^^;)

またタイトルに関しては、おそらく『マッチとブロック』では売れなそうだと判断されたのでしょうね。(^^;)

94年という情報が間違いでなければ、ちょうどFISM横浜のあった年です。

もしかすると私はその時に購入したのかも。

ジョージさんとツイッター上でやりとりした際には、ユージンの解説が当時(94年)からあったのものかと思い、出現というコンセプト自体もユージンさんなのかと思ったのですけど、どうやらそれは違うみたいです。

※オリジナルの段階でそうであったと信じたい。

そして2015年、Magic Incによって完全な商品と解説書(12ページほどあるそうです)が付くまでの数十年、このトリックにはあらゆる海賊版が出たため、より間違った演出が広がったことは確かなようです。

まあ、今回の件については最初からこのタイトルであったようなのだけど、

最近でいうと百円ショップやYouTubeにおけるコピー品や「ダメ明かし」(マナーや解説内容自体がアウトなもの)によって、さらに間違いを助長させるなタイトルには拍車がかかっていると言えそうです。

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