という本が昨年末 「ちくま新書」 から出ておりまして…
軟派に見えるタイトルに誤魔化されずにキチンと読んでいただきますと、そこには至福の瞬間が… ^^;
しかしながらあるレビューでは、
「マジックなんぞ動画で覚えればよいわけで…」
なんていう身も蓋もない感想が。 (^_^.)
寅さんじゃあ、ありませんが、
「それをいっちゃあ、おしめえよ…」
そう言いたくもなりますな。
が、マジックを本当の意味で自分の武器にしたい方にとっては、いまどきの動画では絶対に学べないこと、学習できないことがかなりのボリュームで盛り込んであるのですな。 ^_^
これホント!
昨年(12月16日、18日の記事)、大阪の研究家 石田隆信さんからいただいた感想をこのスペースに転載させていただきましたが、今年に入って北海道の友人 (アマチュアマジシャン) である綾部祥巳さんから、これまた嬉しい御感想をいただきました。 (^^♪
大作ですので、2回に分けてご紹介しますね。
~ 「ウケる手品」 じっくり読ませていただきました。
今回も内容の大変濃い本で、読みながら感心してうなる箇所がいくつもありました。
私が最も感心したのは、各トリックの後に添えられた 「演じる際のコツと注意点」 の部分です。
これまで出版された解説書で、トリックの演じ方 (手順説明) のみならず、その背景となる 「考え方」 の部分まで言及しているものは、残念ながらそう多くは存在しません。
しかしこの本の場合、まさにその点に大きなウエイトが占められており、非常に面白く読ませていただきました。
「演じる際のコツと注意点」 という言い方でまとめられていますが、実際はこの部分は演じる際の 「理論」 にあたると思います。
何に気を配り、何をすべきでないか、またそれはなぜなのか・・・。
そういった、演じる上で意識しておくべき事がよく読むと散りばめられており、大変勉強になりました。
例えば 「シンプルイズベスト」、 「観客への負担軽減」、 「演技後の観客へのフォロー」、 「観客に疑いを起こさせないために」、 「演技の方向性の明確化」、 「短いフレーズの重要性」 などといった、マジックを演じるときに応用できる様々な 「理論」 がさりげなく書かれています。
紹介しているトリックの数こそ多くはないですが、こういった部分の厚さ、深さこそがこの本の大きな価値であると思います。
また、各トリックの解説の仕方も大変細かく、説明が行き届いていると感じました。
トリック自体の骨格説明だけでなく、せりふやタイミング、具体的な示し方などについても細やかに解説されています。
細かいニュアンスの部分というのは、 「センス」 や 「タッチ」 といった言い方で演者に任されてしまっている所であり、パフォーマーごとに最も差の出る所でもあります。
演技初心者にとっては (もちろんベテランにとっても) 最もむずかしい箇所の一つであるわけですが、 「ウケる手品」 ではその点の配慮が大変良くなされており、読者が実際に演じるためにどうしたら良いかをしっかり考えて書かれていると感じました。
なにより、日常の中でマジックをどう生かすか、普段の人間関係の中でどのようにマジックを使うのか (これが本当に難しいのです) という観点からトリックが注意深く選ばれているのが素晴らしいと思います。
演者がスーパーマンになりすぎることなく、 「ちょっとした話題提供」 することで楽しい時間を共に過ごすこと。
カジュアルな普段の生活の中で、真の意味でマジックをコミュニケーションに生かすこと。
そういうことの難しさと重要性を良くご存知のゆうきさんならではの、こだわりのセレクトとお見受けしました。
このセレクト面も、この本の大変ユニークなところだと思います。~
と、今回はここまで。
綾部さん、ありがとうございました。m(__)m
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