先日の昼間テレビをつけていたら、脚本家の三谷幸喜氏が出演しており、人形を使った舞台での演出について面白いことを語っていました。
生身の人間が舞台で死んでしまう演技をしても、観客は「本当に死んだわけじゃないってことを分かっている」これが前提なんですけれども、人形が舞台で死んでしまうと、これはもう本当に死んでしまったように見えるんですね。それまで存在していたはずの「魂のようなもの」が本当に抜けてしまったような……。
氏の出演場面をすべて見ていたわけではないので、細かくは覚えていないのですが、おおよそは上記のような話だったと思います。内容自体も少し興味深いのですが、ここで言いたいのは、例えそれが自分にとっての専門ジャンルだとしても、 “実際に体験してみなければ分からないこと” というのはしょっちゅうあることですし、そのような新鮮な発見自体が、「何かを学ぶことのモチベーションになるのだ」ということです。
最近レクチャーの現場でよく言われることの一つに、「いや~本とかノートだとよくわかんないんだよね~ DVDはないの?」そういった質問(命令?)がよくあるのですが、 実際に映像で現象を確認しないと……それはまあその通りですし、気持ちも理解はできます。
ただし、もしあなた自身の中に、より “このジャンル” におけるさらなる高みを目指したい、そういった気持ちが少しでもある場合は、ほぼ一方的に与えられているといってもいい(ありがた~い)「映像」だけに頼るのではなく、文章やライブをはじめとした、あなた自身の能動的な行動や経験の積み重ねのなかでおこる、 “新鮮な発見” こそが、いろいろな意味でのプラスとなるはずですから、そのことを是非忘れないでほしいと思います。
ほんのちょっとしたこと……些細なこと……でもそれに自分自身で気づく……楽しいと思いませんか?
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