専門的な話ですが

めずらしくトリックの話を。

数年前に読んで感激したカードマジックの作品に、長谷和幸氏の「セレンディピティ」があります。

最もこの作品タイトルは氏によるDVD 「メンタルクリエイションズ」 の中でのものであり、初出と思われる加藤英夫さんの著書「カードマジックライブラリー第八巻」では、「マッチングドゥーアズアイドゥー」というタイトルになっております。

本来ならば2組のデックを使用して行うコインシデンス現象、いわゆる「Do as I do」と呼ばれるテーマを、1組のデックで行うものですが…

数十年の間、多くのマジシャンが達成できなかった問題を、コロンブスの卵的発想で、見事に解決してしまった大傑作です。

改案としては、二川滋夫先生の演技を実際に見たことがあり、そのユニークな演出にはとても感心したのですが、

観客にカードを選んでもらうための手続きに関しては、その説明が少々難しいものになっておりまして…

もう少し楽で、自然で、確実なやり方はないものかと (^^;) 自分なりの解決方法をずいぶんと模索しました。

それなりの答えはだしたつもりですが、やさしく、準備なく、いつでも、テーブルがなくても… といった条件を満たそうとすると、完全に納得のゆく構成はできませんでした。

が、最近ふと気が付いたのです。

1月に発売したDVD 「カードミラクルズ6」 収録の、とあるピーク技法を使用すると、すべてがスッキリ解決することに。(^^♪

今回のDVD中で解説しているピークは、その操作自体は古くからあるのですが、カードを見る前に「一旦胸に当てる」という段階を入れ、さらには観客に対して「分け直すか否か」という質問を投げかけるという極めて狡猾な戦略が使用されており、非常に楽であると同時に、確実なのです。

という訳で、長谷氏の作品と私の技法をご存知の方はお試しください。

1、良く混ぜたデックを観客の左手に持ってもらい、演者は右手でトップの3分の1位を持ち上げて胸に当てます。

2、観客にも同様にしてもらいますが、望めばもう一度分け直しても構わないと言います。観客が納得したら、演者と同じようにボトムを見て覚えてもらいます。

3、ここで演者はパケットを観客の持っている残りのデックに戻し、観客にも同じようにパケットを戻してもらい、全体を揃えてもらいます。

4、ここで初めて演者はデックを受け取りシャッフルします。

※実際はボトム半分をトップへシャッフルするのです。

5、この後は一般的な Do as I do の演出で進めてください。

どうです?見た目は超シンプルでしょ!(^^)

分かる人にしかわからない極めて専門的な話でした。

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