90年にマジックランド(という老舗マジックショップ)の主催で、実に豪華なマジックの大会 (「インターナショナル・フレンドシップ・コンベンション」場所はキャピトル東急ホテル) がありまして、当時21歳であった私は、地方から一人で参加したのであります。
地理的にも経済的にも大変ではありましたが (^^;) それに見合う価値は十分にあったと思います。
マック・キングにマイケル・ウェーバー、トミー・ワンダーにピーター・サメルソン、マックス・メイビンにマーカ・テンドー、沢浩に斉川豊久… そして客席には高木重朗に真田豊美、さらには立川談志まで… (^^;)
もはや絶対にありえないメンバーなのでありまして、若い私は頭をクラクラさせながら会場をうろついていたのでありました。
で、そんなすごいメンバーの中で特に印象深かったマジシャンがスペインの天才、ファン・タマリッツであったのです。
彼はその数年前にテレビの仕事で来日しており、私も高校生であったときにその番組は見ているのですが、残念ながらその放送内容だけでは彼の真価は分かりませんでした。
しかし90年の大会では、300人はいると思われる参加者 (8割がたは奇術家) 全員の前での演技、そしてレクチャー (自身の考えたマジックの秘密やその理論、演技方法など) でしたが、これがもう、ただただ圧倒的に不思議であり、そして、すさまじく面白かったのです。
タネを推理しながらショー見るということが、いかに無意味であるのかを初めて体感させてくれたマジシャンかもしれません。
4年後、横浜の大きな国際マジック大会(FISM)にて再び彼の演技を堪能する機会に恵まれ…
それから数年後、今度はマジックランドのお店で30人ほどでの濃密なレクチャーを受ける機会があり、大いなる刺激を受けました。
まだ今のように自由に映像が見られなかった時代の話です。
そしてつい先日、同じくマジックランド主催のイベント 「箱根クロースアップ祭」 にて、個人的には10年ぶりくらいでしょうか? トータル3時間を超える演技とレクチャーをたっぷりと楽しむことができました。
おそらくもう70歳くらいだろうと思うのですが… いやあ、本当にすばらしい。
すでに発表されている作品でもさらに進化していたりしますし、我々奇術家にとってはお馴染みのトリックでも、それがまるで初演であるかのようなアドリブ的演技を完璧にするのです。
今回受けたレクチャーは、以前に受けたものとほぼ同じものであったのですが、あれから (いつのまにか ^^;) 24年あまりが過ぎ、彼の語るその意味や重要性がより深く理解でき、多少なりとも (本当にわずかではあるのですが) 実践できるようになってきたことが少し嬉しい。
70歳まであと25年の猶予がありますが… う~ん、どこまで行けることやら。
さて今月10日(木)は定例の講習会
「ともの会その前に」
19日(土)は定例のミニライブ
「サタデーナイトマジック第四十五夜」
今回のゲストは小林洋介さんです。
私も頑張ります。
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