昨夜レイトショーで見てきたのですが… いやあ、想像以上のできばえでした。
となりの席には、絶対にアカデミー賞の件がなきゃあ来てないだろ!といった風情の (どういう風情だ?(^_^;)) ××っぽいカップルが、まるで自分の部屋であるかのようにだべっており、結構心配していたのですが… 上映中はちゃんと静かにしておりました。
たぶん、映画に引き込まれたのではないかと。
日本人の死生観といったものを、納棺師という職業を通して描くという、一見重そうなテーマでありながらも、非常にバランスの良いユーモアがちりばめられ、しっかりとエンタテインメントしておりました。
本木雅弘と山崎努がすばらしく、その他のキャストも本当に良かったため、少~しばかり広末涼子が浮いておりましたが、十分健闘していたと思います。
オープニングからエンディングまで、実に気持ち良く鑑賞できました。
正直 「いくらなんでもやりすぎじゃないの?」 そういったシーンもあったのです。しかしすべてにきっちりとした意味があり (残念ながら、そうじゃないものが映画にもマジックにも多いのですな)、映画的演出としてはきっとありなんでしょう。
実はこのあとで、露骨に有名マジシャンの影響を受け(まあ、これはしょうがない)、評価されて(どこで?)、勘違いして、時間オーバーして、だらだらとした手順をやり続け、「一体、どれがクライマックスなの?」 「まだ終わらないの?」 と、いっせいに画面に突っ込まれているであろう、二枚目を気取った自称マジシャン (学生) をみてしまい、なんとも残念な現実に引き戻されてしまいました。
しかもそのあとで、仕事 (マジックのことでしょう、たぶん) の宣伝まで平気でできるのですから、ある意味たいしたものです。
若いからといえばそれまでですし、自信を持つことはもちろん大切なことなんだけど、もう少し (年相応に) 自身を知ってもいいのでは?
同じくらいの年のころ、自分がうまいなんて想像もできなかったし、とうぜんカッコよくもなかった。
でも、だからこそ自分がどう演じるべきなのか考えたし、自信はなかったけど、マジックの良いイメージだけは大切にしたかった。
まだこういったナルシスくんよりはマシだったんじゃないかなあ… 本当にプロとして勝負しているならば、食べるために少々背伸びせざるを得ないことは分かる。
(私は実際にそうだったと思うけど、それでも個人的にはかなりはずかしいものです) しかし、この人は親に養ってもらっている身の学生なのでしょうし、マジックは趣味の範疇でしょう? ご本人は自信あるのかもしれないけど、少なくとも仕事で使えるレベルではない。
せめてもうちょっと謙虚にしてほしいよなあ。
しかも映像って、残るからねえ… ホントにいろんな意味ではずかしいと思う。(経験済み (^_^;))
ただ、本当に有名な芸人とか、タレントになりたい場合、こういった 「とにかく自分が一番」 といった感覚 (それが根拠のない自信であったとしても) は必要なんですね。
まあ、このブログを読んでいる方はほとんどアマチュアでしょうから、関係ないと思いますけど。
私は元々フルタイムのパフォーマーになるつもりはなく、実際、現在ではパフォーマーとしてのウエイトはせいぜい20パーセントくらいです。
その理由はさまざまで、要はマジックの他の部分も大好きだからなのですが、大きな理由のひとつとして、上記の 「自分が一番」 という感覚をまったく持てないということがあります。
結局、自分自身よりもマジックというシャンル自体の方が好きなのでしょうね。
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