市場に出回っている商品について、様々なレビューが出回ることは必然であり、ある意味健全であるともいえるのだが、その絶対数が少ないということは、相対的に全体のレベルが上がりづらいということもまた必然らしい……。
例えば現在わが国において、一般書店に出回っている奇術専門誌はわずか一誌であり、そこで長いこと連載されているレクチャービデオのレビューなんぞは、結構マチガイが多いこともさることながら、本当に個人的な主観で書かれているとしか思えず、ネットとの違いといえばキチンと当人の名前が出ていることぐらいであろうか?
レビューの際に気をつけなければいけないのは、まず当たり前に「間違えないこと」であるが、もうひとつは視点をなるべく一点に統一することであり、その趣旨を冒頭で明示することだと思う。
マジックの世界、特にクロースアップの市場においては、ビデオをはじめとする映像ソフトの99パーセントが「レクチャー」である。そのレクチャーを見て演技がどーのこーの言うのはナンセンスであるし、逆に1パーセントの「ライブ」を見てネタがどーのこーの言っているのも同じことに思える。
もっと個人的な空間ならばともかく、少なくともこのせまい業界では「それなりの権威」になってしまうわけで、もう少し気をつけていただきたいものだと思う。
まあいずれにしろ、個人的な趣味の問題を別にした、もっと客観的なレビューのできる優秀な評論家の出現までには、まだまだ時間がかかりそうである。
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